2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧

去年の誕生日の話

誕生日が好きだった。こんな歳まで生きてきて偉い、と自分を褒められるので。14の誕生日には死にたかった。毎年、生を選んできた1年を振り返り自分を褒める。また1年重ねていこうと心に決める。去年の誕生日には棘が刺さった。いまだに抜けない棘が。友人た…

亡骸を愛する話、「ELLEGARDEN」

気がつけば人に伝える言葉ばかり考えている。来月誕生日を迎える友人へのメッセージ、溜まっているLINEの返信。そんなものがくるくるくるくる脳内をかけめぐって何処かへ行ってくれない。暇さえあればくるくるくる。 多分世界と繋がりたいのだ。世界とつなが…

No title

来るべき日、みんなが外に出て社会生活を営める日に向けて、とりあえず毎日私服に着替える習慣をつけることにした。去年の12月まで受験勉強の傍らバイトに励んでいたので、毎日身嗜みを整えることをしなくなったのは1がつからでもう4ヶ月にもなる。毎朝メイ…

「YES IT'S ME」、人のファッションを笑うなという話

お化粧もスカートもヒールの靴もなんだか恥ずかしくって後ろめたくって出来なかった 女をうまく生きられなくて男の人になりたかった ヤマシタトモコ『YES IT'S ME』 レースもフリルも似合わない、男勝りな自分にはスカートよりショートパンツ、ピンクよりネ…

「君の思いは必ず実現する」、転がる石の話

稲盛和夫さんの「君の思いは必ず実現する」を拝読して、首をひねりながらキーボードを叩いている。ひとつの会社に勤め続けることは、選択肢のひとつだ。しかし、ひとつの会社に勤め続けることと、いくつもの会社を渡り歩くことは、それぞれ選択肢のひとつで…

Tinderでセフレを作る【女性編】

1. まずはまともな写真を用意します 加工はしてもSODAの30ぐらい。どうせ対面したらバレるので「写真写りがいい」の範疇に収めましょう。あまりにもくっきりとしているものは避けるが吉。身バレの可能性を減らしましょう。 2. プロフィールに「彼氏と別れて…

No title

今日こそは部屋を片付けなければ。狭い自室はすぐに散らかる。開いたままうつ伏せに置かれている本やら、ハンガーから落ちたコートやら、ひどい有様である。たぶん強盗が入っても気づかないだろう。 そして今日こそは捨てる本と残す本との腑分けをしなければ…

「ヤングアダルト」、リストカットの話

夜を越えるための唄が死なないように 手首からもう涙が流れないようにマカロニえんぴつ「ヤングアダルト」 一度だけ手首を切った。たしか親と言い争った日だった。たぶん高校生か中学の終わりで、中学一年性の希死念慮に囚われていたときのことを「頭がおか…

「」、今読んでいる本の話

どうにもここ数日書きたいことがない。本一冊を読み終わるにはだいたい1時間から1時間半ぐらいかかる。今野敏ならもう少し早いし、ジョージ・オーウェルならもっと遅い。けれど基本は1時間前後。といっても、まとまった時間が取れる時以外一冊の本を読み…

「夜はおしまい」、女という性の話

「どうしてあなたたちは、自分の体を誰かの好きにさせてはいけないのか」「世の中から一方的に押し付けられた考えではなく、自らの頭でじっくり考えたことはありますか?」「なにより、そう決めつけなければ、誰もあなたたちを守らなくなるからです」島本理…

「キッチン」、健全という暴力の話

宗太郎は笑った。とても背が高いので、いつも見上げる形になった。この子だったらきっとーー私は横顔を見ながら考えた。きっと、ばりばり私を引っぱり回して新しいアパートを決めさせたり、学校へ引っぱり出したりしたんだろう。 それ、その健全さがとても好…

「スロウハイツの神様」、食事という自愛の話

1日ひとつ文章を書こうと思っているのに、今日はなんだか筆が乗らない。昨晩はビーフシチューを作った。よく炒めたたまねぎに、大きく切ったステーキ用の牛肉、にんじん、茄子、じゃがいもとトマト缶。持病持ちの家族に配慮した塩分控えめの出来上がりは満足…

「つむじ風、ここにあります」、悼む権利の話

いくつもの手で撫でられて少年はようやく父の死を理解する めずらしい友人からインスタのDMを受け取った。わたしは受験勉強にひと段落つけて、ゲームに興じていたところだった。その頃もうほとんど大学には行っていなくて、ほんの数人とごくまれにLINEのやり…

「踊ってばかりの国」、好奇心がとどまるところを知らない話

踊ってばかりの国は、サイケデリックロックンロールに分類されるらしいと知ったのは昨日のことだ。 サイケデリック・ロックは、1960年代後半に発生し流行したロック音楽の派生ジャンル。主に、LSDなどのドラッグによる幻覚を、ロックとして再現した音楽のこ…

「シャーロック・ホームズの冒険」、ワトソンになりたいという話

シャーロック・ホームズは推理小説ではないと思っている。あえて言うなら探偵小説か。だって、どう足掻いても与えられた情報だけでは読者には推理できない。 それでもシャーロック・ホームズに惹かれるのは、その在り方なんだろう。 不遜な物言いをするけれ…

「或阿呆の一生」、文字を書くこと

雨が降っている。いつから降り出したのだろう。昨日は、夕方6時ごろに膝を抱えるようにして眠った。心が疲れている時ほど眠りが必要になる。中高の6年間は毎日ひたすらに眠かったことをよく覚えている。睡眠は自己を修復するための時間だ。文字を綴る、とい…

「違国日記」、社会に不適合であるという話

自慢じゃないがわたしは社会生活に向いていない。まったく自慢にならない。 友人が多いことが素晴らしいことだと思っていたので、つい最近までわたしは物怖じせず人に話しかけるタイプであったし外向的であると思っていた。たいした愚か者である。間違った自…

「ミルクとはちみつ」、自暴自棄になってセフレができた話

2019年の10月までわたしには性的な経験がなかった。拗らせているので、春先にできた恋人とは長く続かず、子どもじみたキスを2回したきりだった。特に初めてを大事にしていたわけではないけれど、縁がなかった、というのが1番的確だろうか。縁もタイミング…

セクシーを感じる瞬間と「新米ルポライター、頑張ります!Round2」

セクシーを感じる瞬間。平たく言えば「どえっちじゃん」と息を呑む瞬間がある。髪から滴るしずくであったり、なだらかな体の輪郭であったり、動作と共に形を変える筋肉のしなやかさであったり、微笑む時左右でほんの少し高さの違う口角であったり、感じるポ…

Who I am

都内暮らしの大学生。毎日の習慣としてこのブログを更新しようと思っていたけれど存外忙しい。人にされて嫌なことはしない主義なので本にまつわる記事もネタバレは基本しない。