善悪の再評価の話、「PSYCHO-PASS ASYLUM1」

「僕は思うんだ。悪を選んだ人間は押しつけられた善を持っている人間よりずっと人間だろう、と」
「何に価値があり、何が幸福であるか。それを決めるのは社会でも、他者でもなくーー自分自身の意志だけだ。だから、そうして選び取られたものは、どのようなものであれ、正しく、尊い
吉上亮「PSYCHO-PASS ASYLUM1」


常に思考し続けることは人間を人間たらしめる必要条件であると思う。決して他者の価値観も法の定める善悪も鵜呑みにすることなく、既存の価値は試され続けなければならない。
その昔、天は動くものであったし全ての生き物はすべて神によって今の形そのままに作られていた。女は家庭で家を守る存在であったし、夫は夜な夜な妻を問い、宗教を理由にまだ幼い少女は生殖器を切り取られた。
社会の定める善悪は移り行く。不変でもなければ絶対でもない。再評価を必要とする、人間の作り上げた代物だ。

それでもなぜ善悪の基準が必要とされるのかというと、社会を存続するためだ。社会の幸福のため法律は必要とされる。

集団の一人として法は守らなくてはならない。肝心なのは、法を守ること、つまり善を、自分の意思でを選ぶことだ。

わたしは冒頭の発言をした登場人物ほど過激ではないので、悪を選び行動することを良しとはしないし、善を唯々諾々と受け入れる人間が悪を選ぶ人間に劣るとは思わないが。