「PSYCHO-PASS GENESIS1」という衝撃の話

まだ1巻しか読めていないところで感想を書くのもいかがなものかとは思ったが、どうせこのブログは備忘録のようなものであるので気軽に綴ってみることにした。

人の心理状態や性格的傾向を計測し数値化した「PSYCHO-PASSサイコパス)」によって記録・管理された時代、というのがアニメ・小説・映画という多様な媒体で繰り広げられるPSYCHO-PASSという世界である。

これはアニメの1話から至極当然の前提として提示されるもので、その意義を考えることはあれど、どこか「そういうものだ」という納得を捨てきれずにいた。

捨てきれずにいたところで、この小説である。

PSYCHO-PASS GENESISは「GENESIS」つまり創世記の名の通り、シビュラシステムが導入される時代を描く。それを読み、愕然としたのだ。あくまでフィクションではあるが、私たちの世界からあくまで地続きの世界として、本シリーズの世界は作りあげられていた。

PSYCHO-PASSディストピア作品としての1面を、まざまざと見せつけられた気分だ。

他の記事で触れた「PSYCHO-PASS ASYLUM」はアニメの登場人物のスピンオフに近く、もちろん衝撃的でありひどく印象的な作品ではあったのだが、PSYCHO-PASSの世界を掘り下げることは目的とされていなかったと思う。

対して、「PSYCHO-PASS GENESIS」はPSYCHO-PASSの世界を掘り下げる小説なのだ。もちろん馴染みのある登場人物には親しみを感じるし、スピンオフとしても楽しめると思うのだが、それ以上に一個の小説であると感じる。

なんとかラストまでたどり着かなければ。劇場版のノベライズも机の上に積み上げられ読まれる時を待っているので。