「夜はおしまい」、女という性の話

「どうしてあなたたちは、自分の体を誰かの好きにさせてはいけないのか」

「世の中から一方的に押し付けられた考えではなく、自らの頭でじっくり考えたことはありますか?」

「なにより、そう決めつけなければ、誰もあなたたちを守らなくなるからです」

島本理生『夜はおしまい』

そろそろ生理が来るのか、ひどく眠くて昼過ぎまでうつらうつらしていた。生理の一週間と生理前の一週間、決まって体調を崩すので、元気な期間は1ヶ月のうち半分程度ということになる。女に生まれなければ、とたまに思う。

生物学的にも、社会的にも、女という性は厄介なことばかりだ。子どもを産めてしまうし、生理はあるし、腕力も比較的弱く、強姦される恐怖にバイト帰りはいつも怯えてしまうし、痴漢されるし、もちろん最後二つは男性が被害者になることがないわけではないけれども女性の方が可能性が高いことは事実だろう。電車の中ではいつも携帯を片手に持っておくことにしている。触られた時にインカメを使えるので。

そして悲しいのは、わたしたちはこの体を自傷のように他者に差し出してしまうことがあるということだ。高校生の頃、売春をしようかと試みた。生きているのがつらくて、自分が疎ましくて、壊れてしまいたかった。

『夜はおしまい』に共感できないならば、それは幸いである、ととある読書記録サービスで書いた。それは、あなたたちに同種の傷がないからだ。

夜 は お し ま い

夜 は お し ま い