あとは夢を見るだけ

今日は1日うつらうつらしていた。どうも腹と胃の調子が悪く、自分を労ることにだけは長けているわたしなので。 今日は疲れたし、チョイと早目に 電気を消してほら今フェードアウト 目をつぶってwas good dayならあとは見るだけええ夢 罰当の『was good day』…

5月に読んだ本のまとめ

1. 時計じかけのオレンジ 新装版 2.チーズと塩と豆と 3.かもめのジョナサン 1. 時計じかけのオレンジ 新装版 映画は未鑑賞。ディストピア的な世界観と音楽によって厚みを増す主人公の悪行がまるで歌劇のようだった。 "善良"の原因さえよくわかっていないくせ…

荻原規子さんの描く恋の話

昨日からオンラインで授業が始まった。何かが始まる時の、なんとも言えぬ高揚と緊張はいつまでたっても苦手だし慣れない。隣の部屋からボサノヴァと「こころ」の音読が聞こえてくるのどかな日曜日は腹痛と共に幕を下ろして、ここ2日ははあんまり寝られなか…

月と地球の金太郎飴/「時計じかけのオレンジ」

ところで、右耳に3個目、両耳で4個目のピアスをあけた。ピアスをあける、の、あ、が開なのか空なのかいつも迷ってしまう。穴を開ける、なので開なのだろうけど、イメージとしては空がむいている気もする。 ディムのやつだけは恒星や惑星やお月さんを、ぽかん…

「PSYCHO-PASS GENESIS1」という衝撃の話

まだ1巻しか読めていないところで感想を書くのもいかがなものかとは思ったが、どうせこのブログは備忘録のようなものであるので気軽に綴ってみることにした。人の心理状態や性格的傾向を計測し数値化した「PSYCHO-PASS(サイコパス)」によって記録・管理さ…

愛することの話、「ナラタージュ」

話を聞き終えた彼は、そうかあ、となんだか一仕事終えた後のような表情を浮かべた。 「そんなふうに誰かを深く愛したことがあるなんて、俺には経験がないからうらやましいよ」 「愛していたとか、そんな大袈裟なものじゃないです。最初に会ったときなんか高…

4月に読んだ本のまとめ

鬱々としていた日も多くあまり読めなかった。本が読めないとき、嗚呼メンタルが疲れているな、と思う。アニメPSYCHO-PASSの槙島も言う通り、本を捲ることは「精神的な調律」なので、紙の本への接し方で自分の調子は分かる気がする。 1.芥川龍之介/煙草と悪魔…

善悪の再評価の話、「PSYCHO-PASS ASYLUM1」

「僕は思うんだ。悪を選んだ人間は押しつけられた善を持っている人間よりずっと人間だろう、と」 「何に価値があり、何が幸福であるか。それを決めるのは社会でも、他者でもなくーー自分自身の意志だけだ。だから、そうして選び取られたものは、どのようなも…

ピアスという存在証明の話、「蛇にピアス」「刺青」

「スプリットタンって知ってる?」 「何?それ。分かれた舌って事?」 「そうそう。蛇とかトカゲみたいな舌。人間も、ああいう舌になれるんだよ」 金原ひとみ『蛇にピアス』 『蛇にピアス』の冒頭も冒頭、最初の1ページ目の会話だ。同書によると、舌ピアスの…

亡骸を愛する話、「ELLEGARDEN」

気がつけば人に伝える言葉ばかり考えている。来月誕生日を迎える友人へのメッセージ、溜まっているLINEの返信。そんなものがくるくるくるくる脳内をかけめぐって何処かへ行ってくれない。暇さえあればくるくるくる。 多分世界と繋がりたいのだ。世界とつなが…

「YES IT'S ME」、人のファッションを笑うなという話

お化粧もスカートもヒールの靴もなんだか恥ずかしくって後ろめたくって出来なかった 女をうまく生きられなくて男の人になりたかった ヤマシタトモコ『YES IT'S ME』 レースもフリルも似合わない、男勝りな自分にはスカートよりショートパンツ、ピンクよりネ…

「君の思いは必ず実現する」、転がる石の話

稲盛和夫さんの「君の思いは必ず実現する」を拝読して、首をひねりながらキーボードを叩いている。ひとつの会社に勤め続けることは、選択肢のひとつだ。しかし、ひとつの会社に勤め続けることと、いくつもの会社を渡り歩くことは、それぞれ選択肢のひとつで…

「」、今読んでいる本の話

どうにもここ数日書きたいことがない。本一冊を読み終わるにはだいたい1時間から1時間半ぐらいかかる。今野敏ならもう少し早いし、ジョージ・オーウェルならもっと遅い。けれど基本は1時間前後。といっても、まとまった時間が取れる時以外一冊の本を読み…

「夜はおしまい」、女という性の話

「どうしてあなたたちは、自分の体を誰かの好きにさせてはいけないのか」「世の中から一方的に押し付けられた考えではなく、自らの頭でじっくり考えたことはありますか?」「なにより、そう決めつけなければ、誰もあなたたちを守らなくなるからです」島本理…

「キッチン」、健全という暴力の話

宗太郎は笑った。とても背が高いので、いつも見上げる形になった。この子だったらきっとーー私は横顔を見ながら考えた。きっと、ばりばり私を引っぱり回して新しいアパートを決めさせたり、学校へ引っぱり出したりしたんだろう。 それ、その健全さがとても好…

「スロウハイツの神様」、食事という自愛の話

1日ひとつ文章を書こうと思っているのに、今日はなんだか筆が乗らない。昨晩はビーフシチューを作った。よく炒めたたまねぎに、大きく切ったステーキ用の牛肉、にんじん、茄子、じゃがいもとトマト缶。持病持ちの家族に配慮した塩分控えめの出来上がりは満足…

「つむじ風、ここにあります」、悼む権利の話

いくつもの手で撫でられて少年はようやく父の死を理解する めずらしい友人からインスタのDMを受け取った。わたしは受験勉強にひと段落つけて、ゲームに興じていたところだった。その頃もうほとんど大学には行っていなくて、ほんの数人とごくまれにLINEのやり…

「シャーロック・ホームズの冒険」、ワトソンになりたいという話

シャーロック・ホームズは推理小説ではないと思っている。あえて言うなら探偵小説か。だって、どう足掻いても与えられた情報だけでは読者には推理できない。 それでもシャーロック・ホームズに惹かれるのは、その在り方なんだろう。 不遜な物言いをするけれ…

「或阿呆の一生」、文字を書くこと

雨が降っている。いつから降り出したのだろう。昨日は、夕方6時ごろに膝を抱えるようにして眠った。心が疲れている時ほど眠りが必要になる。中高の6年間は毎日ひたすらに眠かったことをよく覚えている。睡眠は自己を修復するための時間だ。文字を綴る、とい…

「違国日記」、社会に不適合であるという話

自慢じゃないがわたしは社会生活に向いていない。まったく自慢にならない。 友人が多いことが素晴らしいことだと思っていたので、つい最近までわたしは物怖じせず人に話しかけるタイプであったし外向的であると思っていた。たいした愚か者である。間違った自…

「ミルクとはちみつ」、自暴自棄になってセフレができた話

2019年の10月までわたしには性的な経験がなかった。拗らせているので、春先にできた恋人とは長く続かず、子どもじみたキスを2回したきりだった。特に初めてを大事にしていたわけではないけれど、縁がなかった、というのが1番的確だろうか。縁もタイミング…

LOFTのバレンタイン広告の話、「表現の技術」

この世界に広告の存在する意味を日頃から大切に考えておくこと。それを作る人間が、人間をどう見つめているのか。直接的ではないけれど、やはりどうしようもなくそれはにじみでてしまう。 ポジティブな視点でつくられた表現だけが、人を幸福にするのです ネ…